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2020年05月02日

☆トムソンガゼル(後半)

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祖父から数億頭のトムソンガゼルの話しを聞いた青年がいた。その後ガゼルは鉄道の開通、第一次世界大戦時の軍用食糧、農業開発のために今や絶滅に近い。過去何千ものアフリカの歴史の中で世界一を誇ってきたガゼルに今では特定の保護区にひっそり生きているだけである。青年はある日その保護区で一つの事件を目撃したのである。   車から降りた白人の観光客に一頭のガゼルが突進し角で突き飛ばし死に至らせたのである。人懐っこくて気の優しいガゼルがなぜそんな事をしたのか? 彼もまた、かつての一族の繁栄と今の衰退を知っていたのだろうか。人を敵と見たのだろうか。そのガゼルは捕まえられ銃殺される運命にあった。囲いの中に入れられ、明日はいよいよ刑が執行されるという夕方、ガゼルは突然暴れ出し近くの大木に猛然と突っ込んで自らの命を絶った。青年は思った。それはまさしくガゼルの自我であった。大陸に文明を持ち込んだ人間への死の抗議ではなかったろうかと…


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